回復力を持ったレジリエントなシステムとは?
こんにちはHiloyan(@HiloyanHiloker)です。今日は珍しく(?)読書ネタをしようかと。
今日紹介するのは「レジリエンス ~あらゆるシステムの破たんと回復を分けるものは何か~」っていう本です。
レジリエンスとはなにか?
レジリエンスっていうのは、簡単に言うとシステムの復元力のことです。
草をバッタが食べ、それを小鳥が食べて、それを鷲などの大きな鳥が食べるなんていう食物連鎖のシステムを例にして考えてみます。
小鳥に病気が流行して数が減ってしまうと、天敵がいなくなるので、バッタが増えます。一方、鷲などの大きな鳥は食べ物(=小鳥)がなくなることで減ることが考えられます。
バッタが増え、天敵となる鷲などの大きな鳥が減れば、小鳥は増えるわけです。このようなシステム(ここでは食物連鎖の一連の仕組み)の持っている復元力の事をレジリエンスといいます。
レジリエンスを持ったシステムとは?
この本では、レジリエンスを持つシステムは以下の性質を持っているとしています。
レジリエンスは、次のような要素がちょうどよく整った場所に育つ-接続しているが結びつきは強すぎず、多様ではあるが拡散しすぎず、それが有益である限り他のシステムと連動するが、むしろ有害と見れば自らを切り離す。その姿は戦略的な分散性、(戦略、構造、行動における)計算された流動性、(価値観や目的における)普遍性によって特徴づけられる。
(第9章 レジリエンスの習得より引用)
あわせて、レジリエンスを持ったシステム(=レジリエントなシステム)の具体例、およびレジリエントではないシステムの例の紹介とポイントや問題点について言及しています。
この中で、多様性を損なうことでレジリエントではなくなってしまう例をいくつか紹介されていたのですが、食物連鎖や生態系など取ってみても、自然の仕組みっていうのはよくできているなぁと改めて感じました。
まさに自然っていうのは良き教師なんだなって、この本を読むと感じました。
じゃあ、レジリエントなシステムを作るには?
システムっていうところの範囲(スコープ)があるのでしょうが、私の理解では①フィードバックする仕組みを作ること②システムに参加しているものに多様性を持たせる③適切なバッファを織り込むことなのかなと。
後はスコープによって、社会モデルのデザインになったり、組織のデザインになったり、ITで言うところのシステムであったりってことになるのかなと思いました。
そうするとたとえば、組織についてはPDCAサイクルがまさにそれになると思いますね。また誰も異を唱えられない組織じゃレジリエンスはなくなってしまうってことになりますよね。あとは計画に対する時間的、人的、費用的なバッファがないと予想外の問題が起きても対処できないってことになりますね。
ITのシステムの場合も、想定外の事象についてのフィードバックの仕組みを考えておくことや前提条件としてのレジリエンスの限界を見極めるなんてのもあればいいのかなって。仕組みについても、ITのシステムですべて賄うだけでなく運用を含めて考えることが重要だってことになるのかなと思います。
ここら辺の話はシステムシンキングの本なんかにも結構詳しく書かれています。
システムシンキングに興味を持ったのは因果関係に着目したものの考え方について興味があったからなのですが、こうして本を読んて行くと、どこかでつながっているっていうのを知ることは本当に楽しいことですね。
興味があれば是非読んでみてくださいね。では。